『オオカミ』
☆宇田☆
昔々、ショタの魔法使いが
散歩の途中でハートを打ち抜く美貌の少年を発見しました。
それはみなしごのピーター君。
5つの時に父母を流行り病で亡くし、
以来、村の使い走りをすることで生きてきました。
でも、きちんとした世話人がいるわけじゃないから、顔も体も真っ 黒くろすけ。
いつも腹ペコで痩せっぽっちの体に張りついている服もボロボロ。
普通の人だったら、絶対小汚いガキにしか見えないこと請け合いの子です。
けれど、魔法使いは美少年萌えの眼力で、泥の中から砂金を見出す如く、
ピーター君の隠れた美貌を見出したワケなのです。
思い立ったら吉日がモットーの魔法使い、
さっそくピーター君とお話ししようと村に日参します。
けれど、そんな魔法使いの姿を見て、ピーター君は叫びました。
「オオカミだー。オオカミがいるぞー」
まだ子供のピーター君は妖しい気配を放つものといったらオオカミくらいしか知りません。
だから、オオカミと言ったのです。
「すわっ! それは一大事っ!」
村の男達は大慌て、声の方に走ります。
でも、その時には魔法使いはとっくに姿をくらまして、
いるのは、日頃えらそうにしている大人達の慌てぶりが滑稽とケラケラ笑う少年だけ。
だから、嘘イタズラだと誤解され、ピーター君は大人達に叱られました。
「嘘じゃないのに。本当なのに…」
心外だったピーター君、その日からパトロールすることにしました。
そして、妖しい影を見る度に叫び、村人に知らせました。
「オオカミだー。オオカミが来たー」
もちろん、魔法使いには脅かすつもりも悪さをするつもりもありません。
ただただ、愛しい人に話しかけたいだけなのです。
なのに、ピーター君は魔法使いが口を開くか開かないかの内にああして叫ぶ。
そっと静かに恋を展開させたい魔法使いとしては退散するしかありません。
てことはつまり、ピーター君以外の人はオオカミなんか見ていないということになるわけです 。
ピーター君は次第に嘘つきだと思われ、
やがてその言葉を信じる者は1人もいなくなりました。
幼馴染のジョン君やトム君、メリーちゃんまで、口を利いてくれません。
信用されなくなり、使い走りの仕事も貰えなくなり、
食うにも困って、前にも増して痩せて汚くなりました。
魔法使いはあせりました。ピーター君の苦境は全て自分の恋心のせいなのです。
ともかく謝らなければと、ピーター君の住まいの村はずれのオンボロ小屋に行きました。
そうして、やっ と静かにピーター君とお話することが出来たのでした。
ピーター君は言いました。貴方のお気持ちも悪気がなかったことも良くわかりました。
でも、ボクの叫びも真実でした。全て村のためを思ってやったことです。
なのに、ちっとも信用されず、果ては嘘つき呼ばわり。
これはボクが孤児であるせいでしょうか。
それならもう、こんな村に未練は無い。
すまぬとお思いなら、ここからボクを連れ出して下さい。
渡りに船とはこのことと、大喜びの魔法使い、自分の城に速攻奪取。
かくして、ピーター少年は村から消え、
恋人とハッピーラブラブで暮らす魔法使いが1人出来ましたとさ。
どっとお払い。
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↑というようなお話が歪んで伝わり、
皆様もご存知の「嘘つき少年の物語」になったとか、ならなかったとか。
いえ、ちょっと言ってみただけです。
くれぐれも深く追求しないように…。わはははは……(^_^;)
てことで、次のお題は「目玉焼き」にします。
ヨロシク〜。
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