I got the fascinating novel.
Writer's name is negima Makino.





「仕方の無い人達」









「はぁ? 先輩何言ってんですか!」
 僕は大きな声でがなると、先輩の言葉に反論した。
『だから、今すぐ出て来いよ。花見してんだって。近くの公園の橋の近く。解るだろ?』
 先輩は電話の奥で無理な事を言い付けてくる。
 僕は今まで寝てたんだけど。
 昨日は残業で、帰りが凄い遅くて、転がり込む様にベッドに入ったんだよ。
 明日はまた会社なんだ。
 今日ぐらい寝ておかないと体力が続かないよ。
 絶対に無理だ。
 僕は携帯電話を持ったまま、ベッドに潜り込むと、大きな溜め息を吐いた。
「昨日残業で遅かったんです。明日は会社です。花見には行けそうにありません」
 素直に断ると、先輩は電話の向こうでケラケラ笑っている。
 ……この酔っ払い。
 絶対に状況が解ってないな。
『来い。俺の言う事が聞けないのか』
 ……来たよ、この台詞。
 確かに先輩には大学でお世話になったけれど、僕が今年の春に就職が決まった時から、今まで連絡なんてなかったじゃないか。
 しかも花見ってもう五月だよ。
 桜なんて散ってるに決まってるじゃないか。
 人をからかうのもいい加減にしろよ、もう。
「無理です」
 冷たく言い放つと、先輩は大きな溜め息を吐いた。
『酒もあるし、女の子もいるぞ。彼女欲しいだろ。今すぐ来なさい』
 何言っても聞きそうに無いな。
 まぁ今まで先輩の誘いに、断れた試しが無いんだけどね。
 ……解りましたよ。
 行けばいいんでしょう、行けば。
「解りました。今から準備するから、少し遅れます」
 観念してベッドから起き上がると、先輩の笑い声が聞こえた。
『よし! たくさん酒飲ませてやるからな! 早く来いよ』
 先輩は好き勝手言うと、電話を切ってしまう。
 全くあの人はいつも強引なんだから。
 深く溜め息を吐いて、ベッドから出ると大きな欠伸をする。
 これから酒をたくさん飲まされて、明日は二日酔いに決まってる筈なのに、僕の気持ちは何処か浮かれている。
 結局僕も、先輩の顔が見たいんじゃん。
「……仕方ないな」
 僕は自分自身に溜め息を吐くと、適当に身支度を整えて、一人暮らしの家を出た。
 この道の先には公園があって、そこで先輩は待ってる。
 僕が必死で走っても、いつもの笑顔で『遅い』って言うんだ。
 本当に仕方無い人だな。
 僕は少しずつ速度を上げながら、暖かい五月の空を見上げた。
 楽しい飲み会になりそうだ。


END











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