I got the fascinating novel.
Writer's name is negima Makino.





「楽園へようこそ」









 窓を開けると柔らかくて優しい風が身体を包んでくれて、優しい太陽の陽射しが心地良い眠りを誘う。
 そんな優しくて暖かい春という季節。
 行った事はないけれど、これこそ正に、楽園と呼ばれる物なのだろう。
「くぁ……」
 俺は上半身を起こして、大きな欠伸をすると、右手の甲で涙を払った。
 辺りは優しい陽射しと、柔らかい風に満ちていて、俺はまた夢現の世界へと引き摺られそうになる。
 でもこれから約束があるんだよな。
 友達の正が俺の家に遊びに来る。
 俺の部屋もこの家も、物が散乱していて汚い。
 それに俺は今、一人でこの家にいる。
 だから俺が、掃除しないといけないんだけど……。
 もう約束の一時になるんだけど……。
「駄目だ……」
 俺は眠くてまた座布団の上に寝転んだ。
 この家に縁側なんていう場所があるからいけないんだ。
 俺は悪く無い……。
 そうしてうつらうつらしていると、玄関のチャイムが鳴ってしまった。
 ああ、たぶん正だ。
 迎えに行かないといけないんだけど、迎えに行く気が起こらない。
 でも行かなくちゃ……。
 眠い。
「おい。この寝惚け男」
「……おお。正。ようこそ」
 寝ていたら正が勝手に入ってきてくれた。
 ああ良かった。
 迎えに行く手間が省けた。
 俺は正に向かって、ニッコリと微笑むと、正は俺の隣に腰を下ろしながら、ぶつぶつと文句を言った。
「全く。無用心にも程がある」
「ごめん、ごめん。でも正がいるから大丈夫だ」
 俺はのんびりとした口調で、正の袖を軽く引っ張る。
 正はそんな俺を見ると、遂に口元を緩めて苦笑した。
「仕方ないな。ま、俺がいるから大丈夫だ」
「うん。後でオヤツがあるから、一緒に食べような」
 俺がそう言うと、正は嬉しそうに頷いた。
 この暖かい陽気に、大好きな親友の正。
 ……ああ。
 言う事無いね。
 ここは本当に楽園だ。


END











back
*
reset