『ぺリドット』
vv 庭先珠子 サマ vv
ああ、視線が痛い。
だってどう見てもこういう場所は男二人で来るところじゃないだろう?
ちらちら向けられるオンナノコの視線が突き刺さる。
店員さんだって8割は女性なわけだよ、なんつーかこういたたまれないんですけど?
と隣で熱心にショーケースを覗き込んでる大男を見上げる。
こいつがまた、こういうジュエリーショップが似合わないんだよなあ。
違和感。
なんつーかもうお花畑にコンポストっていうか、真夏の海で毛皮のコートっていうか。
黙って立ってりゃ、高身長とプチマッチョな体型で、イイ男に分類してやってもいいんだろうけど、
如何せん表情が。鼻の下が普段より3センチは伸びてんじゃないかってぐらい、にやけてだらしない。
「ほら、さっさと選べ。お前みたいなかさばる奴がいたら、店の迷惑だろ」
「せんせー、そんな言い方ひでぇよ」
確かに嘗ては先生だったけどな、今は違うだろうがよ?!
ぎろっと睨んで、大男の足を素知らぬ顔で、思いっきり踏んでやった。
痛いとかなんとか声が聞こえたが無視だ無視。
俺だって、そんなに背が低いわけじゃない。
ごくごく平均的な身長だが、隣にこいつがいる所為で、やたらと小さく見える。
腕だって、脚だってそれなりにひきしまっているが、隣のやつに比べりゃ華奢に映る。
だから、お前と一緒に歩くのは嫌なんだよ。
内心で毒づきながら、ふいっと店の外に向かう。
どうせ今日の買い物は、アイツに無理矢理引っ張り出されてなのだ、律儀に隣で待ってやる必要はない。
待ち合わせ顔で、店の外で待ってたって十分問題ない。
まだ悩んでるアイツなんてほったらかしで十分だ。
大体、やっと休みが重なったからってひょっこり顔を出したかと思えば、
言うに事欠いて『好きな人に告白しようと思うんで、買い物付き合ってください』だし、
なんだよいくら教え子だからってそこまで面倒みる義理はねえっての。
たく、他人の気も知らないでいい気なもんだ。
蹴ったクソ悪いたらないね。
貴重な休日をなんでこんなくだらない用事につき合わされなくちゃならないんだ?
ムカつきながら、ポケットをがさごそ探る。
煙草だ煙草。ムカつくから禁煙なんてもうおしまいだ。
アイツの無事を願っての願掛け禁煙なんざ、もうおしまいだ。
1本取り出して、口に咥える。
火を探そうと、またポケットをがさごそしてたら、大きな手が伸びてきて、煙草が取り上げられた。
「なにすんだよ、返せ」
「嫌です。タバコくさい先生はオレ好きじゃないんで」
「そんな事はお前にゃ関係ないだろ?」
ああ、ムカつく。なんだってこいつはいつの間に俺を追い抜いてでかくなりやがったんだ、昔は可愛かったのに。
「先生、なんか機嫌悪くないですか?オレなんかしました?」
きゅーんと小犬がしょげて鳴くような目で見るんじゃねえ。
「ああ?わかってるなら俺を解放しろ。ナニが楽しくて、お前の買い物に付き合わないといけないんだ?
告白アイテムなら一人で悩め。俺を宛てにするんじゃない。」
郵便ポストか赤いのも、休日に不機嫌なのも、軽い失恋気分なのも、全部お前が悪い。
あー、八つ当たりもいいところだ。
「だ、だってオレのセンスが悪いのせんせーだって知ってるじゃないですか。
先生が、自分の好みに合わないもの贈られたって、受け取らないっての知ってるんですよ」
だから一緒に選んでもらおうと思ったんですよとかぼそぼそ呟く声が聞こえる。
「は?」
思わず素っ頓狂な声がでてしまった。
こいつ何言ってるんだ?
今日の買い物は俺のためのもの?
こいつ誘うときに、好きな人に告白するって言ってなかったか?
頭の中で図式を整理した。
こいつの意中の人ってのは、俺か?
「お店の人に色々聞いたんですよ。先生緑っぽい色似合うからそういう色で、
なんかこういい感じのないかって」
アイツは買ったばかりの小箱を俺に差し出す。箱を開けた中身はピアスが一組。
オリーブグリーンの石が台座にのっかってる。しかもかなり小さめで、つけててもあまり目立たない感じだ。
「ぺリドットって石なんですよ。え、えっとその両思いの相手ともってると、いつまでも円満だとかなんとか」
いや、だからってここでそんな話をしなくてもいいだろ?
「そうか。ふーん。じゃあ半分はお前が持つんだな?」
片割れを取って、早速片耳につけた。
そのままふいっと背中向けてずかずか歩き出した。
こっぱずかしいんだよ、たく。
「せ、先生」
嬉々とした声が聞こえる。ああもう恥かしい奴。
「うるさい、まずはその呼び方を直せ!」
振り返らず叫んだ声はきっと届いたはずだ。
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ええ、更新がないので、乱入でございます。
お題とあんまりこう関連性が(くう)
元教え子今は大男と元先生。
お互い好きなくせに、告ってないもんだから、すれ違い気味。
なんてのを。
ごめんなさい、誤字脱字は見逃してください。
お邪魔致しましたー。
っと次のお題ですよね?
ええっと「毬栗」で。
栗じゃないです毬栗です。うふ(うふじゃない)
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☆宇田☆
庭先さま、ようこそ。
毎度お気遣い頂き、誠にありがとうございます。
そうです、寂しかったんですよ、ぢつは〜。
だから、感激ひとしおですわ(ハート)。
それにしても、この板ったら、すっかり「ヤオイ1ページ劇場」と化してますねぇ。
今回もまた、お見事なプロポーズ大作戦が展開されていて、めでたいことです。
うむ、OK!
最近、研究の甲斐あって、「こっちも多少はイケるかも…」と思い始めた宇田です(笑)。
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★のぐち★
なんか庭先さんの作品からいつも、
萌〜エ〜萌エ萌エモ〜エ〜♪ってコーラスが聞こえてくるんですが。
身長差も年の差も先生生徒とかってのもなんか私ツボ過ぎで困るんですが///
先生がちょっとツンデれってるのもまたそそる・・・・///
すんごい萌エ栄養いただきましたですゴチになりました・・!!///vv
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