『蚊取り線香』
★のぐち★

夕闇が迫る頃になって、学者バカさんはやっと部屋に入って来てくれたものの、
二人ともその頃にはお腹がすいてしまっていたので先に軽く晩ご飯食べて。
片づけも済みすっかり落ち着いてさあ横になろうと兄さんがぐいぐい先導して、
やっと二人して布団に寝ころんだ瞬間に、ああ!と、学者バカさんが急に起き上がり、
ガサガサとあの懐かしの丸い缶から、絡まる様に納まっている蚊取り線香を、
折れない様に優しく外し、取り出す。私はこれの香りが好きなんですよとか言いながら、
学者バカさんが蚊取り線香に火を付けるのです。
ぼんやりと灯る火に、ゆうらりと昇る一条の煙。
風の無い夜だとひと目で分かる。
事におよんで熱に浸って、ふと目の端にやわらかい光が通るのに気付く学者バカさん。
あっ、ホタルですよ!!と、慌てて蚊取り線香を消そうと手を伸ばす彼にグッとしがみつき、
頼むから今はオレだけを見ろよ、と、火照った頬で眉根を寄せる兄さん。
湿った夜に、激しい鼓動に、身体中を滴り伝う汗と、しがみつかれた首に爪の圧力を感じ、
怒らせたかなと思う反面こんな風に自分に主張する彼が愛おしい、と、
学者バカさんは厚い眼鏡の下で目蓋を伏せて、舌を出し、
自分を見つめる兄さんのそのおとがいをべろりと舐めた。
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宇田さんの「あじさい」への萌エが激しかったので思わず続けてしまいました
すみませんごめんなさい(土下座)(でも楽しかったですエッヘッヘ〜///vv)(笑)
(ちなみに学者バカさん攻モードですのぐち。ヘタレ攻めです(思いっきり個人的趣向))(///笑)
次なるお題は「蝉の声」でお願いします。
風流と言えば風流。暑苦しいといえば暑苦しい夏の風物詩。(笑)
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