『 しましま』
★のぐち★





柿の事を思い出して、ちょっと懐かしくなって。
実家に用事があったから電話して、
そのついでに気まぐれに、ばあちゃん元気?と一言聞いた。
一言だけ。直接話した訳じゃない。

一週間後、荷物が届いた。
すんごい色のストライプの半纏が、
柿やらみかんやら白菜やらねぎやらと一緒に箱の中に入っていた。
畳まれた半纏の胸元に、煤けたお年玉の袋。

慌てて実家に電話した。
母親が言うには、ばあちゃんの通院に付き添った時、チラリと、
オレが電話で、ばあちゃんを気に掛けてたと言ったらしい。
・・・・そういえば、ずいぶん嬉しそうにしていたなぁと。
半纏の事を話すと、古い布団の綿を打ち直していたから、
何にするのかと思ってたら半纏だったの、と軽快に笑っていた。
お年玉の事を聞くと、
仕事忙しいからってここしばらく正月も帰って来てないからでしょ、と嫌味を言われ。
良くしてもらったんだから電話ぐらいしなさいよ、ときつく言われた。・・・・けど。


「・・・・・今年は、帰るわ。ばあちゃん家にも行くからって言っといて。・・・・・ありがとって」


ずっと無精して訪ねずにいると、電話もしづらい。
それよりは、顔を見た方がいい。

電話を切って、改めて半纏を箱から取り出した。ふんわりと懐かしい匂い。
柄は黄色と紫の派手なストライプ。誰かに布を選んで貰ったのか、自分で買ったのか。
若い者の趣向をばあちゃんなりに考えてのことだろう。
箱の中で支えを失って、ゴロゴロと傍らに崩れた柿をひとつ持ったら、手にひんやりと冷たかった。

正月に帰った時、ばあちゃん家を訪ねたら、ばあちゃんはオレに、開口一番なんて言うだろう。
久しぶりやな。
ずっと訪ねんとって。
元気しとったんか。
餅食うか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


『あのしましま、どうやった』

・・・・・・言いそう。絶対言う。
何て答えよう。あのしましまは・・・・・・絶妙の色合いでいい感じだったよ。ばあちゃんナイス。


記憶の中で、くしゃっとしわしわの顔が微笑った。
柿は最高に美味かった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



宇田さんの「夕暮れ」を読んで、ア〜私もめっちゃ帰りたい・・!ってなって。
すっかり里心ついてしまって離脱出来ませんでした(///笑;)
という事で、また続けさせて頂いてしまいましたスミマセンでへ〜///;
アーアーウー帰りたいなー!!柿食いたい!剥いてもらって食いたい!!(笑)

ではでは、次なるお題は、「愛国心」なんてどうでしょうか。
素っ頓狂な事をまたいきなりと引かれそうですが///;
私は、お米のご飯が美味しいだけでもう激しく、日本人で良かったと心から思えます。(笑)
ふと振り返ると日本って本当に好きと思ったりします。とりあえずスタートは食文化です。(笑)




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